| 即興詩人 (上巻) ワイド版岩波文庫 (18) | |
![]() | アンデルセン 森 鴎外 岩波書店 1991-01 売り上げランキング : 23886 おすすめ平均 ![]() 買ってよかったです。 声を出して読む日本語にふさわしい文語文Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| アンデルセン自伝 ぼくのものがたり | |
![]() | いわさき ちひろ 高橋 健二 講談社 2005-03-05 売り上げランキング : 400559 おすすめ平均 ![]() 自らの人生を美しい童話として語るアンデルセンAmazonで詳しく見る by G-Tools |
![]()
| 絵のない絵本 (新潮文庫) | |
![]() | アンデルセン 矢崎 源九郎 おすすめ平均 ![]() 当時はこれでよかったのかな? 絵のない絵本 詩的な短編集 大人のためのメルヘン 大人のための物語集Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 絵のない絵本 (岩波文庫) | |
![]() | アンデルセン 大畑 末吉 おすすめ平均 ![]() 月だけが見ていた物語Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▶アンデルセン『絵のない絵本』/
松岡正剛『千夜千冊』
| 人魚姫 | |
![]() | アンデルセン 清川 あさみ おすすめ平均 ![]() 好みの問題? 「白雪姫」「親指姫」と並ぶ三大お姫様ものの中で唯一の悲劇。 大人だから楽しめる人魚姫 最高の贅沢 完全に大人用ですAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 人魚姫―アンデルセンの童話〈2〉 (福音館文庫) | |
![]() | ハンス・クリスチャン アンデルセン イブ・スパング オルセン 福音館書店 2003-11-01 売り上げランキング : 327447 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]()
詩を書く-自身の内なる”樹”を見つめ直す▶アンデルセンはイタリアへの旅から戻り『即興詩人』を書きあげます。イタリアを舞台にしながら主人公には自身が人生で味わってきたことのすべてをロマンチックに仮託させています。スペイン階段の物乞いはアンデルセン自身の祖父を、苦しかったラテン語の授業の先生や、その多情な妻、声がつぶれた歌姫の運命など、アンデルセンは自らの”根っ子”の部分から土面を食いやぶって芽を出し、なんとか頼りない若木となるまでの自らの内なる樹を見つめ直したのでした。
|
詩と童話集を並行して書いていた理由そして興味深いことに、自らの”魂の樹”を見つめ直し『即興詩人』を書くのと並行しアンデルセンは童話を書きだしています。『即興詩人』は、上へ上へと自我を追求するのではなく、自己の”根っ子”を見つめる作業で、幼い時に父や祖母から昔話を聞いていたのが強く思い出されていたにちがいありません。同書が出版された翌月に童話集『子供のための童話集』が刊行されました。「小クラウスと大クラウス」などはそうした昔話の再話に近いものから、「豆つぶの上に寝たお姫様」のように原話をベースにしながらもかなり自由に創作した童話も載っています。
|
不思議に満ちた現実世界-「近代童話」の発見!そしてその「発見」は、「近代童話」の発見でもあったのです。これまでの童話のように必ずしも魔法使いや王様やお姫さまがでてこなくてもこの現実の世界は不思議なことに満ち溢れていて、子供もそこに喜びを見いだすことをアンデルセンは体験的に知っていました。「イーダの花」には、自然に咲く花と少女しかでてきません。子供たちとのつきあいからアンデルセンはそれでも子供たちは生き生きとした自然の不思議さや喜びを見いだす能力があると感じていたのです。 そしてこの時期に起こっていた「自然に帰れ」という浪漫思潮が、近代童話の地盤をつくりだしていました。子供は未成熟な大人でなく大人とは異なる独自の存在で毒されていない純真な可能性の存在としてみられるようになってきていたのです。ただ、まだまだ童話観が成熟していなかったため、評判高かた『即興詩人』に比べると、
|
◉童話:Topics◉アンデルセンの昔話に対する方法はグリム兄弟の方法とはまるで異なっています。グリム兄弟の方法は民間に長らく伝えられてきた話を通じ民族の精神や風俗、信仰を知ろうとした(民俗学的)が、アンデルセンは詩人の立場であったので新しい時代と考えが合わないことや、表現の足りないとおもった所は自由に書き換えるほうが好ましいと考えました。代表作の一つ『野の白鳥』などは題材が潜在的に含んでいるものを展開させ、はなやかで浪漫的ドラマに仕立て上げています。昔話の再話の域をはるかに越えた話になっていて創作童話ともいえるものになっています。『イーダの花』では人間が寝静まってから庭の花たちが舞踏会を開くさまを描いていますが、それはごくふつうの少女の生活と夢が描かれているだけで一篇の童話になっています。それは必ずしも魔法使いや王様・御姫さまが登場しなくてもこの現実の世界は不思議なことに満ち溢れ、子供もそこに喜びを見いだすことを体験的に知っていたからだったようです。それが「近代童話」の発見につながり、アンデルセンは「新しい童話の生みの親」とされる理由であります。
|