デヴィッド・ハミルトンは、1984年に映画『サントロペの夏 : Un été à Saint-Tropez;Summer In Saint Tropez』を製作。1977年の最初の映画「ビリティス(Bilitis)」、79年の『ローラ(Laura)」、などに続き5本目の映画だった。ハミルトンは英国生まれロンドン育ちだが、現在はこの南フランスの避暑地サントロペに住んでいる。英国を離れた理由の一つに、母国英国と米国では、ハミルトンの映像世界をチャイルド・ポルノグラフィーだ、という声が1990年代後半に一部にあがり(米国ではSally Mann と Jock Sturgesが同じケースにあたる)、2005年に英国の警察当局はハミルトンの写真集の所持は違法であるとしたが、後に撤回。当時、英国と米国以外では、ハミルトンの世界は広く受け入れられ、その芸術性も高く評価されていることや、少女たちの年齢やヌードに関する考えや姿勢もひとそれぞれであり非合法であるとする明確な根拠はないと判断された。サントロペのあるフランスではまったくそうしたネガティブな反応がみられなかったことも、サントロペの美しさと同時に、ハミルトンが晩年に居住することになった理由の一つだったとおもわれる。
映画『サントロペの夏』は、南フランスの静かな避暑地の家に逗留した若い女性たちが牧歌的で無垢な時をともにすごすその親密な空気と若い女性たちの優しさと美しさを極めた作品。1971年にピンクフロイドが「 Saint Tropez」という曲をつくりましたが、現在のというか、少なくとも日本人のイメージにとって南フランスのサントロペは、ハミルトンのイメージによっているところが大きいようだ。もっともそれ以前に、サントロペはブリジッド・バルドーとイメージと結びつき世界的に名を知られ人気を高めていく。映画監督ロジェ・バディム(当時は舞台俳優)は、雑誌のモデルをしていたなんと16歳のブリジッド・バルドーと結婚、バルドー20歳の時に、初監督映画『素直な悪女 And God Created Woman (1956)』をサントロペを舞台に撮影したのだった。この映画でバルドーは小悪魔を演じ、マリリン・モンローと並び称される世界のセックス・シンボル(B.B.ベ・ベ)になっていく。 |