Kurt Markus ♞ カート・マーカスの写真集

カート・マーカスの写真集:これ以外の写真集は下段のアマゾンのコーナーで確認してみて下さい。
1985年に刊行された「After Barbed Wire: Cowboys of Our Time」by Twelvetree Pressは、同じくTwelvetree Pressから出たブルース・ウェバーの事実上の初写真集「ブルース・ウェバー」(1983)と同じく、それ以降の写真集の方向性や、ファッションと写真の関係性について重要な意味をもたらした。写真集が時代の空気を映し込み集合レンズのように外に向かって放ちはじめるように、ファッションもまた同じような原理がはたらくからである。逆にトレースすれば、ファッション界の変化が、写真の中のイメージ群を突き動かし、そこに映され(写され)記憶されていたものが再び光を放ちはじめるといったこともしょっちゅう起こることとなる。それはかつて森山大道が「写真は光の化石」と言ったこととも似ることになる。とくにカート・マーカスの写真の場合、モダン・カウボーイのライフスタイルの中に住んでいたので、必然的にモダン・カウボーイ・ファッションやその肩肘張らないナチュラルなライフスタイルを撮影することにもなる。時代に先行していたブルース・ウェバーが、カート・マーカスの写真に煌めくものがあるのを察知するのはたやすい御用だったのだろう。
ちなみに1990年当時、「After Barbed Wir(有刺鉄線の後に)」は、「ブルース・ウェバー」(1983)のファーストと同様、10万〜12万円が国内の相場だった。当時、アメリカではL.A.でもNew Yorkでも$350〜$500だった頃だ。自分もサンフランシスコのゴールデン・ブリッジを渡って車で1時間程行った山向こうのアーティストたちが多く住む小さな町の専門書店で、$250程で1992年に購入している。とにかくジャケットイメージも横長のフォーマットも、なぜかえらく気に入ってしまったのだ。しかも$250程度だったので買わないわけにはいかない感じだった。下のアマゾンで見ると、当時国内で10万円もしていたものが、結局20年前と同じか、それ以下の価格になってしまったような感じもするが、実際には安い価格帯のものはライブラリースタンプやジャケットが酷く傷んでいたりするものがほとんどなので、美麗なものは20年程前よりも値が付いているようだ。「Buckaroo」はカラー写真がメインということもあり、米国でも時おりではあるが、1990年代半ばくらいか、場合によってはその後まで、シリアス写真集のコーナーではなく、動物やカウボーイのコーナーに入っていることもあった。私も1994年にサンタバーバラの海沿いにあるご年配の方が主人をされていた小さな古本屋さんで、動物のコーナーで見つけてしまったのだった。カリフォルニアの写真の歴史の本など4冊ほど買って$65程で、しかも$5程おまけしてもらった記憶がある。そうした思い出も沢山あるので、当店はある意味で、値段をあまりきっちりと厳格につけないようにしている(かな)。でもすべてがもう懐かしさの彼方に移行してしまっていて(よくフラッシュバックしてくるが)、もう同じ時代は来ないことを確信しながら今書いています。
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