




上にピックアップした写真はどれも「Pages from the Glossies- Facsimiles 1956-1998」(1998)By Scalo からのもの。ニュートンの世界は、都会的であり、人工的な空間、欲望と夢想するほどの人工美が充溢しているので、当初から自然な存在である樹木はほとんどといっていいくらい登場しない。ところが1968年、ニュートン48歳の時、以前から悩まされていたドッペルゲンガーのイメージを写真で創造しはじめた頃から、にわかに自然の樹木がロケーションの場に、イメージの背景に登場しはじめるのだ。上の写真の2枚目と3枚目の写真はまさにそれである。その頃からエディターの意向に沿ったイメージショットではなく、ニュートンが独自の世界を生み出せるような関係を編集部との間で構築できたのも大きかったようだ。1979年になると、妻ジューンのアイデアで、ニュートンが少年時代に過ごした場所(ベルリン)をロケーションに撮影する(For German Vogue)ようになる。上の写真の最初のものと4枚目の写真がそれにあたる。そこで自少年時代の自分と出会い、感覚と記憶をリフレッシュさせ、自身と自信を取り戻したニュートンはその翌年の1980年に、生涯で最も成功したシリーズといわれる「Big Nude」シリーズを意欲的に撮影しはじめる(その時、ニュートンは60歳になっていた)。そのシリーズはじつはニュートンがほとんど使用してこなかったスタジオでの撮影であった。