小林のりお写真集「Landscape」(1986)より : 1982年より家庭をもったのを機に多摩ニュータウン近くに移り住んだ小林のりおは、変貌やまない多摩ニュータウンの写真を撮りはじめる。歯科大中退という写真家としては得意な経歴な小林には、まるで歯が抜け落ちてゆくような赤茶けた土地の成り行きと光景を見過ごすことはできなかったのだろう。そして1983年から本書にも収録されているパノラマ写真で、まるで虫歯の様子をレントゲン撮影するかのように、あるいは歯形をとってそれを密かにコレクションするかのごとくに、猛烈に撮影を開始しはじめたのだった。こうしてみると樹木の様子からだけでも、土地がその根もとから掘り起こされ新たに人工的につくりかえられていくプロセスが見て取れよう。