JEFF WALL -ジェフ・ウォール
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ジェフ・ウォールのこと& Photo Books
カナダ・バンクーバー生まれ、育ちのジェフ・ウォールは、コンテンポラリー・アート界きっての写真の使い手だ。彼の多くの写真には、ヴェラスケスや北斎、カフカらのイメージがほのめかされ、いくつものイメージのレイヤーを通して見る気にされられる。また一見スナップショットのようなイメージも念入りにセットアップされて撮られ、アートと写真の罠が幾重にも重ねられ、作品は真逆に透明化する。前ページのの写真は、自動車文明のなか、空に向かってどこか薄ら寒く屹立する樹木だが、バンクーバーの社会を象徴するイメージといえよう。本写真集(以下に掲載の書籍)には、それ以外にも、都市の路上で、郊外のはらっぱの向こう側で、また少女たちの遊び場の向こう側で、気にしなければ見えないぐらいに、逆に気にしだすと至るところに、ポツンと立つ、また鬱蒼と茂るミステリアスな場所として、樹木や林、森がたちあらわれる。上に掲載した3番目の写真と下に掲載した本写真集のジャケット写真じゃ象徴的な写真である。最初のものはアジア系の一人の男性がこんもり葉を茂らせた一本の樹にもたれかかり日がかんかんと照るストリートから身を守るようにしている。少し顔を前方上方にあげているがその視線の先には茂った葉がみえているようだ。また白い壁に映った大きな樹木の影と、通りを前後に行き交う人たちの姿(男性とはまったく関係なくただ街の通りを通りすぎるだけのように)は合わせてこの一枚の写真を独特なものにしている。
JEFF WALL 「JEFF WALL」1997 by Scalo & Museum of Contemporary Art, LA